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誘導

ふと思うこと。重箱の隅をつつくことには違いない。

1月19日付の新聞記事。
EF55の引退が報じられている。

090120

「ムーミン」の愛称で親しまれた電気機関車
EF55のサヨナラ運転が・・・(中略)・・・。
EF55は流線型がもてはやされていた時代の
1936年にデビューした(以下略)。

この記事は「正しい」のかという素朴な疑問。

JR東日本が保有する最も古い電気機関車ではあるが、
この記事を読むと、1936年にデビューして2009年まで
元気に走っていたかのような印象を与える。少なくとも
この記事から得られる情報はそれしかない。書いた
記者もそう認識していたのかも知れない。

が、この機関車は1964年に一度廃車となり、幸運にも
解体されずに残り(実態は放置されていたわけだが)、
1986年に復活して以来イベント用に使用されていた
ものなのである。そもそも現役時に「ムーミン」とは
呼ばれていない。

分かりにくいかも知れないが、例えばこういう例を
挙げるとどうだろう。

引退後、どこかの公園で保存されていたD51が整備
されて本線上に復帰し、イベントなどの客寄せパンダとして
使用されたとする。だが老朽化には勝てず、20年ほど活躍
したあと引退して博物館に引き取られたとする。

もしそのとき、

「昭和11年に登場し、最も多数が製造され、日本を代表
する蒸気機関車であるD51が引退した。」

という記事が出たら?

何か変でしょう?

ダンナがそもそも昨今の「鉄道ブーム」とやらに胡散臭さを
感じている一人であるわけだが、つい最近の「0系新幹線」
引退ブームにしても、「東海道新幹線開業時から走り続けた」
というだけで、車両が途中で代替わりし、開業当初の車両
など30年以上前に引退しているという事実を報道しない。
何も0系の技術史上、あるいは世界の鉄道史上に与えた
偉大な功績を否定するわけではないが、44年間走り続けた
車両は存在しないわけで。それを報道することは0系に
対する賞賛やノスタルジーな感傷に浸る気持ちに冷や水を
浴びせるようなものだという暗黙の了解なのだろうか。

だが、
なんだろう。この違和感は・・・。

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コメント

EF55に「ムーミン」なんて現代的な
渾名を付けた連中の気が知れない。
流線型流行時代の産物だが、昭和15年
夏に両親と東京見物に「鴎」のマイネロフ
37(戦後のマロネフ38)の「ロ」で神戸
から上京した時に沼津で下り線にEF55
が入ってきて、実物を見て大いに嬉しか
った記憶がある。
でも片流で転車台が必要の厄介さが
災いして、現場から嫌われたみたい
だったが、日本放送協会の「国民歌謡」
"新鉄道唱歌"(東海道本線)に歌われた
「‐‐‐流線一路、(富士)、(桜)、
(燕)の影もうららかに」はまさに
EF55が対象だったと想われる。

投稿: Pyresean | 2009年1月21日 (水) 16時44分

Pyreseanさま>
現在「てんとう虫」と呼ばれているスバル360にしても、実車生産中は「カメ(さん)」と呼ばれていたそうです。EF55は「ドタ靴」とか「カバ」だったそうですね。(出典:Wikipedia)
昭和15年に上京、ですか。大阪が経済力では東京を上回っていた時代ですね。関西ではモハ52も走っていたんだろうな、とモノクロの写真を見ているかのような気持ちです。その場に居合わせたら当然カラーでしょうし、世代の違いはなかなか埋まらないものです。

しかしながらSL全盛の時代とは言え、転回の必要のある電気機関車を作るのは不経済な感じもします。もちろん現在の視点から物を見るのは間違っていますけれども。

投稿: いぶきダンナ | 2009年1月21日 (水) 22時10分

いぶき旦那さん
関西ではモハ52、C5343,C5520-40,
山陽電鉄では200、南海クハ1900(高野号
の展望車)、京阪60(びわこ号)、1000
等の全盛時代でした。
EF55の「かば」は聞いた記憶がありますが
幼稚園や小1(国民学校だった)時代です
から記憶が曖昧です。
EF55も若しかしたら背中合わせで「重連」でも
考えていたのか?電化区間がせめて名古屋まで
ならそれで特急列車のスピードアップが出来た
かも知れませんね。(誰かみたいな妄想だけれ
ど---)

投稿: Pyrenean | 2009年1月22日 (木) 11時43分

同感です。

例えば世間一般に知られる芸能人が亡くなり、デビューから一旦引退し、休業後活動再会・・・てな場合だと、「途中○年間のブランクがあったが・・・」と入れるでしょうし、入れないと編集部にご意見が殺到しますよね。

リード(業界用語で見出しの意味)を簡略にして読者の目を引きつけたい・・・ので、専門的には問題があるが、又は取材では気が付かなかった・・・等々が理由でしょうが、プレス揃っての同じ表現はおかしいですよ。

同僚も天文分野などの報道は、間違いが多いと嘆いていました。

投稿: アルプス銀水タクシー | 2009年1月22日 (木) 12時08分

端的に言えば「記者の汽車知らず」でしょうか?(笑)

投稿: Pyrenean | 2009年1月23日 (金) 20時23分

「感動」を強要し、「鉄道ブーム」を煽る・・・、というと言い過ぎかもしれませんが。。

「JR東日本は、70年以上もこの機関車を大事に使い続けてきたんだよ!すごいよね!エコだよね!」と、記者氏は言いたいのでしょうかねぇ。

「ムーミンは幸せでした」
いや、同僚の2両がさっさと解体されてしまって、とても寂しい思いをしてきたと思いますよ。。。

さて、「あなたが好きな電気機関車は?」と聞かれて「EF55」と答える人は、どれくらいいるでしょうねぇ?
これまで「EF55が唯一神です」という御仁に遭遇したためし無し・・・。

投稿: 二枚橋 | 2009年1月24日 (土) 00時48分

>Pyreneanさま
鉄道車両が戦前のひとつの頂点を迎えたときの車両ですね。戦後は技術的には戦前を上回っているとは言え、内装などかつての工芸品のような部分は無くなり、純粋に工業製品のようになってしまっているような気がします。

>アルプス銀水タクシーさま
天文分野もですか。今回のEF55の件、間違ってはいないんですよね、字面からは・・・。コトバが足りないというか、読者を二枚橋さまも書かれていますが、ある方向に誘導しようというか、表題にさせていただいたのは、つまりそういうことです。

>二枚橋さま
そう、そうなんですよ、言いたいのは。なんで感動しないといけないのか。鉄道ブームをこうまでして煽らなければならないのか。JREのプレスがそうだったのでしょうが、鉄道はエコみたいな、全く押し付けがましい。
鉄道がエコなのはみんな分かっているのです。でも私も含めてクルマに乗ってしまうんです。

EF55が神?
ムーミンと呼んでいる方々の中にはいるかも知れませんよ。

投稿: いぶきダンナ | 2009年1月24日 (土) 11時21分

とどのつまり、記事を書いた人は何も知らないということなのでしょうか?
最近の報道は表面(おもてづら)しか見ていない様に思えます。
結果で言えばその通りなのかもしれませんが、内容があまりにも薄すぎます。EF55に関しては何故引退してしまうのか?0系新幹線は形こそ同じだがどうして長い間同じ形で40年以上走ってこられたのかということをもう少し掘り下げて記事して欲しいものですが、だからといってそのもののだけのために専門的に書かれてしまったら、他の記事に支障してしまうので致し方ないのか?とも思ってしまうのですが…。
…それよりも一連の「無くなるブーム。」何とかなりませんかね?はっきり言って迷惑。現役で当たり前のように走っているときには見向きもせず、終いには邪魔者扱い。「無くなるぞ!」と言われて慌てふためき、時間を割いてわざわざ現地へ急行。お客の迷惑考えず車内で騒ぎまくり、おまけに盗難や線路支障。止めは年始の挨拶に引退した車両を印刷して「謹賀新年」。全然目出度くありません。人間で言えば、お亡くなりになった方の写真を載せるのと同じくらい嫌なものはありません。

投稿: しらねぇちゃんのママ | 2009年1月24日 (土) 18時20分

世間受けのことだけ考えると、マニアックなことは排除されてしまうんでしょうかね。鉄道ブームに乗るのなら、もう少し解説を加えてほしいものです。マニアというものが世間に認められ、逆差別になっているのでは?と、感じています。

投稿: meimai | 2009年1月26日 (月) 19時12分

MSN産経ニュースの「鉄道ファン必見」コーナーの記事は、読み応えのあるものになっています。
EF55の歴史と、これからについて言及されており、「鉄道ファン必見」というだけのことはあると思います。
URL→http://sankei.jp.msn.com/life/trend/090117/trd0901171300003-n1.htm

一方、同じMSN産経ニュースの「ふるさと便り」のコーナーでもEF55さよなら運転についての記事が掲載されています。
おそらく紙面で言うと地方版にあたるものと思います。
こちらの記事でも「昭和39年12月で営業運転を終了。61年に動態復元」、「部品調達が難しくなったことなどから、引退」と短い記事の中に重要な部分がしっかりと記述されています。
URL→http://sankei.jp.msn.com/life/trend/081206/trd0812062210016-n1.htm

一方、自動車関連の情報サイト「レスポンス」でもEF55のラストランについての記事が掲載されていました。
http://response.jp/issue/2009/0117/article119107_1.html
こちらの記事には「戦後生まれのレールファンからも「ムーミン」という愛称で親しまれてきた」という記述があります。

朝日と毎日は、お話になりません。
どちらも製造年のみが取り上げられ、20年以上車籍が無かったことについては全く触れられていません。

http://news.sina.com.hk/cgi-bin/nw/show.cgi/23/1/1/1014761/1.html
↑ここも古いことばかりが強調されているようです。。
・・・いや、読めないんですけどね、広東語(ですよね?香港って)。

投稿: 二枚橋 | 2009年1月27日 (火) 15時37分

ブン屋さんの書く鉄道はファンが読んだら
「アホか」が多いですが、電車と気動車を
混同する記者が多いですね。(特に鉄道線
区間で)、最も旧宮崎交通のバッテリーカー
や小海線の新しいDC(キハ43000式のデイゼル
発電のDEC)は「電車」とも居えますが。
3月に入ったら「恐ろしい」でしょうね。特
に「富士+はやぶさ」の運転区間は「狂気の
沙汰」でしょう。事故が起こらなければ
良いが--

投稿: Pyrenean | 2009年1月28日 (水) 10時33分

二枚橋さまに紹介していただいた記事を拝見しました。最後のニホンゴじゃないやつは断片的に意味が・・・、でしたが。確かにこういう風に書けば良いのではないか、と思います。文章が短くても書けるはずです。みなさまがおっしゃられるように、途中の経緯を書くことを省略することによって古さや価値を強調しようとする記者の作為を感じます。

電車と気動車の混同はテレビでもよくあることです。私は線路を走る車両を「首都圏や関西圏をはじめ電化された区間がほとんどの都市部では『電車』と総称する」と思っています。少し地方になると「汽車」を使っている地域があります。ディーゼルは煙を吐きますから用語が変化しなかったものと思います。
とはいえ、2時間サスペンスドラマを見ていたら北海道のシーンでホームに入ってくるキハ283に音源を別にかぶせたと見え、VVVF音で停車したのには参りましたね。

投稿: いぶきダンナ | 2009年2月 1日 (日) 08時33分

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